こんにちは。中山です。
第4回コンポタリレー小説、
『ポップコーン・ボーイズ』第4話。
どうぞ。

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思考停止を解除。
ああ、未来山くんと明美さんに僕が内言弁慶だってことがばれてしまった。
未来人恐るべし。まさか心が読めるとは。なんてことだ。恥ずかしい。不運。この上ない不運。厳密に言うと不運ってニュアンスではないけど、広い意味での不運ということで。そうしておけば何が起きても僕のせいじゃないし。


バンドのメンバーが発表されたとき、僕は考えるのを止めたんだ。もう疲れちゃってさ。それにあいつらが僕の思考に入り込んでくる。どうだった? 心の動きを読み取れなかったろう? 思い知ったか。思考停止は屈する者の必須スキルなんだぜ。でもその後は彼らにされるがまま。仕方ないさ、自分の意思ってやつが皆無だったからね。それで明美さんにエレキギターとアンプ一式を渡されて、言われるがままラインをアンプにジョイントしたらワープ。さすが未来、移動手段がおしゃれ。


ここは見たとこ出口のない核シェルター。体育館くらいの大きさで、壁には無数の凹凸がある。中にはドラムセットとゴリ山。ゴリ山? 二人きり!? やばい、こっち見てる。不機嫌そうだ。何をされるかわからない。プロレスごっこまでならokだけど、それ以上はやめて。
ゴリ山はドラムスか。うわ、まだこっち見てる。凝視されてる。でも何か変だ。僕の延髄を切ろうとする気配がない。蝶のようにとか蜂のようにとか言ってこない。なぜ僕を凝視しているんだろう。わからない。というかゴリ山の考えていることなんてひとつもわからない。ゴリ山も僕のことを何も知らない。たとえ世界がひとつになっても僕とゴリ山はわかりあえない。それでいい。
でも僕はゴリ山に、自信というか確信に近いものをひとつだけ抱いている。僕はゴリ山が求めるものを首尾よく提供してしまう。僕が好む好まざるに関わらず。誰よりも速く、誰よりも正確に。僕らはずっとそういう関係だった。
「おいポプ山、その肩にかけてるやつ何だよ」
うわー! ゴリ山が話しかけてきた。
「これ? えっと、エレキギターだけど」
「エレキギターだと!? ポプ山のくせに生意気だぞ!」
ゴリ山がスネアをスティックで思い切り叩く。スチャーン。ゴリ山がスゴ味のきいた顔で僕をにらみつける。
「ごごごごめんなさい!」
僕は思わず身をかがめ、その拍子に右手がエレキギターの弦を掻いた。ギュイーン。かっこよさげな音が響く。何たる不運。そんなつもりなかったのに。深々と頭を下げたかっただけなのに。
「おいポプ山! 気取ってんなよ!」
ゴリ山が怒りを全身で表現している。キック、スネア、キック、キック。どや顔。
「ご、ごめん!」
ジュルジュイーン。胸の前で両手を合わせてごめんねのポーズをするつもりが、今度は弦を掻き上げ鳴らしてしまった。ああ、もうダメだ。思考を停止します。
「おのれポプ山ー!」
ドドチャ、ドドスチャ、ドドチャ。
  ジャン、ジャカ、ジャカ、ジャン。
ドッチャ、ドッチャ、ドドッ、チャ。
  ジ、ジ、ジ。
ピロー、タカタンタンタンタン。

ギターとドラムスのグルーヴに、
僕とゴリ山はインストルメンタルの神様をみた。


次の日、メンバー全員の顔合わせがあった。といっても全員同じクラスだけど。
その次の日、明美さんがライブをとってきた。
2030年つまり35年後の大晦日、場所は帝国ホテルのスイートルーム。
観客は1人。秘密組織ポップコーンの親玉、つまり35年後の僕だ。
やってやる。僕はゴリ山にコブラツイストをかけられながら、ラインをアンプにジョイントした。

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次は最終回。喜多村さん、お願いします!
コンビニです。

『ポップコーン・ボーイズ』第3話です!


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「宇宙島(そらしま)さん、いつの間に?」

金平は同級生の明美の介入にちょっとほっとした。

未来山はそんな金平の言葉をさえぎるように、急に大声を出した。

「本名で呼ぶぬぁっとぇ!ナカ村。」

「あんたこそ本名で呼ばないでよ、ナラ崎。」

宇宙島明美は冷静さを保ちつつ、怒りの感情をこめて切り返した。


ナラ崎?ナカ村?本名・・。そういえば未来山は仮の名っていってたな。宇宙島さんも仮の名ってこと?
てか未来山と宇宙島よりナラ崎とナカ村のほうがよっぽど普通の名前じゃん!なんでより未来的な名前にしてるんだ。ばれるじゃん。未来からやってきたことめちゃアピールしてんじゃん!ん、ん、んんんー!?
未来山くんは今日転校してきたけど、宇宙島さんは小学校からの同級生だ...。
宇宙島さんも未来からやってきたというのか?宇宙島さんも時空捜査官なのかー?

金平は明美の登場に安心したはずだったが、考えるうちにさらなる混乱の坩堝に迷い込んでしまった。

「保父山くん、さらに混乱させちゃったね。」

明美はゆっくりと近寄って来た。


「まずあなたの疑問を解消しましょう。私もこのナラ崎...未来山と同じく未来から派遣された時空捜査官。小学校3年生のときにあなたのクラスに転校した。覚えてる?」

「あ、そっか...。」

そうか、そういえば宇宙島さんは途中で転校してきたんだった。でもそんなに若くして時空捜査官とやらに?僕が組織するらしいポップコーン?だっけ?そいつはどんだけ悪い奴らなんだ?

「あなたは暴力に屈する。特に体格のいいゴリ山のことを恐れている。けれどゴリ山とはこの先、高校、大学、会社とずっと同じ道を歩んでいくことになる。ゴリ山の存在はあなたの人生を常に抑圧していく。ゴリ山の存在が、あなたがポップコーンを組織する一因となる。」

明美は淡々と金平に語りかけた。金平の顔はみるみる青ざめた。ゴリ山とずっと一緒だって!?宇宙島さんの話が本当なら、僕の人生お先真っ暗じゃないか。

「さすがどぁ、ナカ村!さっきはごめんず。さすぐぁ、ベースラインを丁寧にとらえとぇいるゆ。僕も見習うず。言葉もすっかり過去風になっているぬぇ。」

未来山は明美の丁寧な説明にすっかり感心していた。明美は未来山には目もくれず言葉をつづけた。

「安心して、保父山くん。わたしたちはあなたを救うためにやってきたのよ。ゴリ山への恐怖を中学時代に解消しておかなければならない。そのために、いまバンドをやるの。」

「バンド...。」

「私がバンドのプロデューサー。メンバーは、保父山くん、未来山、学級委員の春日部くん、そして、ゴリ山よ。」


第4話へつづく




こんばんは。主宰の石川です。
第4回コンポタリレー小説、
『ポップコーン・ボーイズ』第2話を書いたので載せます!
よろしくどうぞー。

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金平は尻餅をついたまま、目の前に突き出された手を見つめていた。その手はつるりとして白くて何処までもひとつなぎで。海蛇に似ているけどそれとも少し違う、なにか見たことの無い深海に住む生物を金平に想像させた。


こいつは何を言っているんだろう?未来から来たとかバンドやろうとか。人の気持ちにおかまいなしで勝手に話を進めていく。まだ自己紹介もしていないのに。なぜこの学校にはデリカシーの無い奴しかいないんだろう。ジュースくらい自分で買えよ。君がポップコーンを組織するのを防ぐために派遣されたんどぅあ?なんだよその語尾。流行ってんの?未来では流行ってんの?まだ自己紹介もしていないのに。進んでんでしょ文明。読んでよ空気を気遣ってよ他人を初対面で人のメガネポジションずらしといてつまりバンドやろうずぇって全然つまってない俺は痛みを伴う暴力とそれを想起させる恐怖以外の何者にも屈する気はない。


 「ああああのよくわかんないんでそのあのごごごめん無理無理むむりだもんでじゃあバイおかまいなく」 

立ち上がりながら距離を取り、距離を取りながら申し出を断り、金平は穏便にこの場から立ち去ろうとするが白い手の転校生はそれを見越していたように金平の前に回り込み進路を塞いだ。


「報告は本当だったんだぬ!信じられない思考速度どぅあ・・メガネポジションずらしたことは謝るず。ごめんず。でも語尾を濁すのは未来では初対面の礼儀でやあ。不快ならやめるよ」


どれだけ未来から来たかは知らないけど、そんなものは不快に決まっている。暴力に屈する僕にもわかる。多感な僕らは慎重に出会う必要があるんだ。想像力を働かせるんだ。頭の中に円を描くんだよ。ゆっくりと丁寧に。できるだけ綺麗な円がいい。なにも上等な道具が必要って訳じゃないんだゆっくりでいいんだ。相手が嫌かもしれないことの円と自分が相手にしたいことの円とそしてお互えええええええええ!?今のなに!?何こいつ何こいつ何!?なんでメガネポジションなんで!?読んだよ!読んだ読んでるよね俺の心読んでるよね!だめ駄目ダメだめだよ駄目だよ読んだら心を読んだら円が完全に円が言い訳できない交わる僕らはあわわわ


「・・だからいつも言ってるじゃないナラ崎。あんたはやり方が乱暴なのよ」


金平が声に驚いて振り返ると、そこには同じクラスの明美が立っていた。明美は腕を組み壁に寄りかかりながら転校生を睨んでいた。金平は明美の声を初めて聴いたような気がした。 


「分かるでしょう?スネアをキックするのとは違うの。もっと慎重にベースラインを捉まえないと、全てが台無しになってまうのよ」



第3話につづく


ぴったりです。
リレー小説第4弾が始まります。
よろしくどうぞ。



ポップコーン・ボーイズ 第1話



「おい、ポプ山ー、ジュース買ってこいよー」

声を掛けられて、教室から出ようとしていた保父山金平(ほふやまこんぺい)は身をこわばらせた。やばい、いじめっこの郡山もといゴリ山だ!

「おい聞いてんのか、ポプ山コン平!」

振り向くとゴリ山が教室の隅からスゴ味のきいた顔でにらんでいた。

「おおおお断りします!そそそそれに僕はポプ山じゃなくて保父山です!ゴリ山君!」

抵抗するコン平だが、

「ああん!?コン平のくせに生意気だぞ!」

「ごごごごめんなさいー、行ってきます?」

体格がよくて声も大きいゴリ山はどうしたって怖い。中学生にもなって情けないと思うけどやはり逆らえない。逆らいたいけど逆らえない。でもこんな生活抜け出したい。

しょんぼり俯きながら、早足で自販機のある購買室に向かっていると曲がり角で人とぶつかってしまった。衝撃でメガネがずれた。

「でやあ!」

「痛い!」

尻もちをついたコン平がメガネ・ポジションを直して前を見ると、ぶつかった相手はギターバックを背負ってすらりと立ち、コン平に手を差し伸べていた。

「どぅあいじょうぶかい?」

コン平は彼の顔を知っていた。今朝転校してきたばかりの

「未来山くん、だよね?」

朝のホームルームで紹介されたばかりだ。

「ああ、覚えてくれありがとう。保父山君」

「僕の名前ももう覚えてくれたんだね!」

なんていい人なんだ!まだ自己紹介もしてないのに名前を覚えてくれてるなんて!

「当り前さ、僕は君に会うために未来からやって来たんだからぬぇ!」

「え?」

「実は僕は未来からやってきた時空捜査官なんどぅあ。未来山というのは仮の名すぁ。そして君は未来においては秘密組織ポップコーンの親玉。僕は君がポップコーンを組織するのを防ぐために派遣されたんどぅあ!」

秘密組織ポップコーン?僕が将来その親玉になる?彼はそれを止めるために未来からやってきた?荒唐無稽な話をまくしたてられ混乱するコン平に、

「つまり」

「つまり?」

「バンドやろうずぇ!」

未来山はさらに追い打ちをかけた。いまやコン平は混乱のきわみだった。




第2話へつづく


コンポタ・キタムラが一部映像のお手伝いをしたFAIFAIさんの「SHIBAHAMA」!

とある公演日にコンポタみんなで観てきました。
内容はアグレッシブ&カラフルでコンポタみんなわひゃーとなりました。

キタムラ映像も思っってたよりごっそり使われててひゃーとなりました。

ハイテンションに生かないと損だなぁと思わせる興奮度大な公演でした!



コンポタ・イン・会津

キタムラ (2010年8月 8日 23:30) | コメント(0)

今週土日、キタムラ&イシカワでキーノさんを頼って福島県・ 会津に行ってきました!夏をエンジョイイング。
今度はコンポタみんなで帰ってくるぜ!





コンポタ刑事 vol.11「異」

キタムラ (2010年5月30日 15:53) | コメント(0)
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